夏季五輪とガシャの開催時期が近いこと、「地球の裏側」、「南米」、「サンバ」などの言葉から想像できるように、ブラジルのリオデジャネイロがカード背景の元ネタになっていると考えられます。ガシャに登場した春香、エミリー、真美、紗代子、瑞希の全員の背景のモデルを見つけることができました。

■目次
お散歩デート 天海春香(サンタ・テレーザ/ラルゴ・ダ・カルヴェロ駅)
オペラの夕べ エミリー(リオデジャネイロ市立劇場)
言葉はいらないよ! 双海真美(コパカバーナビーチ/リオ五輪ビーチバレー会場付近)
ファンタジックライブラリー 高山紗代子(王立ポルトガル図書館)
異国のひととき 真壁瑞希(セラロンの階段)
春香・エミリー・真美[覚醒前](マラカナンスタジアム)




○お散歩デート 天海春香

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©窪岡俊之 ©2013 BANDAI NAMCO Entertainment Inc.
©BNEI/PROJECT iM@S

 春香が指差している路面電車は100年以上もの歴史があり、かつてはリオの北部から南部にかけての広い範囲を運行していたが、1960年代までにほとんどの路線が閉鎖されてしまい、大都市圏では唯一ここサンタ・テレーザ地区(Santa Teresa)でのみ運行が続いている[1]。春香が手に持っている旅行ガイドブックをよく見ると、左上に「サンタ・テレーサ」と書いてあるのが確認できる(ここではWeb検索でより多くヒットする「サンタ・テレーザ」の表記を用いる)。路面電車のサンタ・テレーザ線に沿って歩いていみると、ちゃんとした屋根のある駅はさほど多くないことがわかるが、その内の一つがここラルゴ・ダ・カルヴェロ(Largo do Curvelo)駅である(春香の右腕に屋根が隠れており、路面電車の行き先表示に[CU]RVELOと書かれている。黄色い駅舎の上部に施された”アート”も一致しているのが確認できる)。

 春香がいるこの駅は、他のアイドル達がいる有名スポットに比べると、観光地として紹介されることが非常に少ない。路面電車そのものは観光の目玉の一つではあるが、なぜこのラルゴ・ダ・カルヴェロ駅がカード背景となっているのか、素朴には不思議に感じる。ミリオンライブのクリエイターの単なる趣味に過ぎない、という可能性もあるが、現実のリオでの出来事を考慮することによって、このラルゴ・ダ・カルヴェロ駅が特別な場所だと思うことができる。
 実はこの路面電車、2011年に脱線事故を起こしており、死傷者も出てしまった[2]。そのため路面電車は営業を停止せざるを得なくなり、その後線路の工事が長く続けられた。それから4年経った2015年の夏に、サンタ・テレーザ全線の1/6程度の距離だが、営業が再開されたのである(春香らがリオを訪れているのがガシャ期間の2016年夏(リオ五輪の時期)だとすると、春香がこうして動いている路面電車を見ることができるのは、現実のリオと矛盾しない)。そして営業再開区間(2015年7月時点)の始発駅の片側にあたるのが、春香が立っているここラルゴ・ダ・カルヴェロ駅である。悲しい事故を経験したものの、なんとか復活を果たしたリオ名物の路面電車の再出発の地、そう思うと、単なる駅の一つ以上の感慨深さがある。
 このカードのテキストには”プロデューサーさん、よかったら一緒に乗りませんか?エレナちゃんのオススメなんですよっ!”とある。春香が手に持っているガイドブックにも、エレナが書いたと思われる付箋が、黄色の路面電車の写真横に付けてある。エレナは6歳までリオで育った[3]ため、彼女もこの路面電車に乗ったことがあるのかもしれない。そんな彼女が路面電車の事故のニュースを聞いたら、非常に悲しんだのではないか、そして安全対策が施され再開されたことをとても喜んだのではないか、そんな心情を想像してしまう。

 ここで一度、春香が手に持っているガイドブックを見直してみる。右ページ中段の写真の中央に描かれているものは、復活した路面電車も通る、有名な観光スポットのカリオカ水道橋(Aqueduto da Carioca)[ストリートビュー]にも見える(カードイラストのごく小さな部分からの判断なので、全然違う可能性も)。この水道橋の先に、営業再開区間のもう片方の始発駅がある。
 ガイドブックの左ページ左下の写真は、このラルゴ・ダ・カルヴェロ駅からすぐ近くにある、遺跡公園(Parque das Ruínas)文化センター[ストリートビュー]が非常によく似ており、その文化センターの敷地から南南東を見てみると、ガイドブック左ページ左上の絶景[ストリートビュー]が見られるようになっている。左上の写真の奥に写っているのは、有名な観光スポットの一つであるポン・ヂ・アスーカル(Pão de Açúcar)。左ページ中段、付箋が貼ってある路面電車の写真は、濡れ鼠展望台(Mirante do Rato Molhado)から少し離れた場所[ストリートビュー]で撮られたものと推測する。1:3の割合で壁の色が分かれており、上から植物がはみ出している場所は案外見られないものなので、実際に存在する場所だとすると、ここが候補になるだろう。
 ガイドブック右ページ右下の黄・緑・赤が混じっている写真は、瑞希のカード背景でもあるセラロンの階段[ストリートビュー]に見える。ただし、瑞希が座っている位置ではなく、階段の一番下の方にあたると思われる。このラルゴ・ダ・カルヴェロ駅からそんなに離れていない場所にあるので、路面電車を楽しんだ春香たちが次に向かい、瑞希・エレナと合流するといった想像もできる。

[1] https://en.wikipedia.org/wiki/Santa_Teresa_Tram
[2] http://www.nikkeyshimbun.jp/2015/151230-02topics.html
[3]アイドルマスターミリオンライブ!ゲーム内 島原エレナアピールボイス

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○オペラの夕べ エミリー

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©窪岡俊之 ©2013 BANDAI NAMCO Entertainment Inc.
©BNEI/PROJECT iM@S

 春香がいるサンタ・テレーザの丘を北へ下ると、リオの中心街であるセントロ(Centro)地区がある。その一角にあるリオデジャネイロ市立劇場(Theatro Municipal do Rio de Janeiro)にオペラを見に来たというのが、このカードのシチュエーションだ。こういった華美な場所に疎い身としては、世界各地にある劇場の階段は、どれもそんなに変わらないように思えてしまうが、階段のステアカーペットロッドホルダー(絨毯押さえ棒)、手すりの支柱中央の四角の出っ張り等の多くの描き込みが、紛うことなくこのカード背景がリオデジャネイロの劇場であることを示唆している、シンプルに見えるが非常にクリエイターのこだわりが感じられる背景である(フランスのガルニエ宮に影響を受けたという劇場はここを含め世界各地にあるが、どの劇場の階段も部分的にリオのものとは明確に異なることが確認できる)。
 この階段以外にも、劇場内をストリートビューで楽しむことができる。身を飾ったエミリーが立っているところを想像して、目一杯劇場内とエミリーの姿を堪能していただきたい。

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○言葉はいらないよ! 双海真美

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©窪岡俊之 ©2013 BANDAI NAMCO Entertainment Inc.
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 「リオデジャネイロに旅行」といったら、私のように詳しくない人は「美しい砂浜でスポーツorのんびり」みたいな光景が真っ先に思い浮かぶのではないだろうか。あるいは「イパネマの娘」が海辺を歩く姿のイメージから、同じようなことを考えるかもしれない。実際、観光客にとっても地元に人にとってもビーチは人気スポットのようだ。カードイラストの下部に注目すると、真美たちがサッカーをしている場所は砂浜に見える。背景が一致する場所を探して海辺を歩いてみると、横長いコパカバーナビーチ(Praia de Copacabana)の中央付近が最も近そうだ(イパネマビーチではなさそう)。
 背景の右側にある山は、素朴には、春香の部分でも言及したポン・ヂ・アスーカルにも思えそうだが、そもそもポン・ヂ・アスーカルは山ではなく岩で、カード背景に描かれているほど緑に覆われていない。地図で確認してみると、どうやらレメ(Leme)地区とウルカ(Urca)地区にまたがる低い山のようだが、名前まではわからなかった。
 真美の右肘に隠れているのはウィンザーアトランチカホテルだと考えられる。ストリートビューで部屋の中も見ることができ、宿泊気分を味わえて楽しい。また、このホテルのすぐ近くの浜では、リオ五輪のビーチバレーの試合が行われていた。その当時の様子も現在、ストリートビューで確認できる。ウィンザーアトランチカホテルからも、試合の細かな様子は分からなくとも、盛り上がっている様子なら見ることができたかもしれない。なお、ホテルの隣(背後)にある高層の建物については知ることができなかった(単なるマンションに思える)。

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○ファンタジックライブラリー 高山紗代子

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©窪岡俊之 ©2013 BANDAI NAMCO Entertainment Inc.
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 カード名にもあるように「幻想図書館」とも呼ばれたりするこの場所は、王立ポルトガル図書館(Real Gabinete Português de Leitura)。こちらもエミリーと同じくセントロ地区で、エミリーのいた劇場から徒歩十数分のところにある。世界には数々の美しい図書館があるが、ここ幻想図書館は、フィクションの世界からそのまま取り出してきかたのような「本物感」が非常に強く感じられる、大変珍しい場所だ。
 このカードのテキストで紗代子は”わぁ、ステキ…。図書館なのに、眺めるだけなんて不思議ですけど、なんだか納得してしまいますね。”と言っているが、実はこの図書館、一般人には蔵書を触ることが許可されていない。紗代子の言うとおり、我々はこの図書館に来ても本を眺めることしかできないのである[1]。しかし本に触れないということすら、この空間の「本物感」を強める感じすらして、触れなくても仕方ないなという気持ちにさせられる。確かに「なんだか納得して」しまう。この幻想図書館が非常に見るに値するものだとは理解しつつも、”…向こうにも、いってみましょう!(カードテキスト)”と言いながら目を輝かせている紗代子の、無防備で少女感あふれる姿を見ていたい気持ちも強く、嬉しい悲鳴を上げたくなるカードのシチュエーションである。
 ストリートビューできるのは1階だけだが、紗代子がいるのは2階なので注意されたい。

[1]https://www.tripadvisor.jp/ShowUserReviews-g303506-d2352463-r193755819-Real_Gabinete_Portugues_Da_Leitura-Rio_de_Janeiro_State_of_Rio_de_Janeiro.html

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○異国のひととき 真壁瑞希

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©窪岡俊之 ©2013 BANDAI NAMCO Entertainment Inc.
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 春香がいたラルゴ・ダ・カルヴェロ駅から徒歩で10分のところにこのセラロンの階段(Escadaria Selarón)がある。そこそこ長い階段だが、その全ての段に色とりどりのタイルが見事にあしらわれている。貼られているタイルは、芸術家のセラロン(Jorge Selarón)氏が世界中から集めたもの。瑞希が座っているのは、階段のかなり上の方になるが、その高さから下を見渡す瑞希の目には、どんな光景が映っているだろうか?残念ながら、タイルが張られているのは地面に垂直な面だけなので、下から見上げる時に比べると、階段の美しさはあまり感じられなくなってしまう。しかしながら、世界中から集めたタイルで作られた階段を見るために世界中の観光客が集まっている、ある種のメッセージ性ある光景が目に映るだろう。この階段がブラジルと世界の国々が一つに繋がる「インターナショナル」で「ワールドワイド」な場所だと解釈すると、これらのワードが歌詞として入る「ファンタジスタ・カーニバル」を持ち歌とするエレナが一緒に笑顔で写っていることは、このカードイラストの非常に深い作り込みを感じさせ、イラストの制作に携わった全てのミリオンライブ!クリエイターに感謝の気持ちを表したくなる。
 エレナの背後にあるブラジル国旗タイルの黄色の部分には、こっそりひまわりの絵が描かれたタイルが混じっている。エレナがひまわりに囲まれて写っているカード「The sun」を思い出さずにはいられない。
 瑞希が飲んでいるアセロラジュースは、セラロンの階段というよりは、ここがブラジル国内ということに関係したアイテムである(ブラジルは世界最大のアセロラ生産地)。また、アセロラに限らず、リオにはジューススタンドが多い(ただし、店舗数は瑞希がいるここよりも南部の地域の方が多いようである)。日本ではなかなかお目にかかれない数々の果物を、各々の好みのミックスで注文し、一口ずつ味を試し合うアイドルたちの光景が目に浮かび、心に幸せな気持ちが溢れてくる。

[1]http://blog.hankyu-travel.com/kaigai/latin-america/brazil/2011/090165.php

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○春香・エミリー・真美[覚醒前]

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©窪岡俊之 ©2013 BANDAI NAMCO Entertainment Inc. 
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 リオデジャネイロの各地を観光したアイドル諸君は、ここマラカナンスタジアム(Estádio do Maracanã)でライブをする。サッカーワールドカップが2回開催された、サッカーの聖地である。カード背景を見ると、実際のスタジアムにもある大型ビジョンが確認できる。過去に数々の有名な歌手がコンサートを公演したり、リオ五輪の開会式・閉会式の会場になるようなこの場所でライブを成功させたことは、765プロのアイドル諸君に大きな自信を与えるであろう。


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